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ますます激化する通信業界で、ウィルコムが生き残り、成長するカギとは?
ちょっと質問を変えます。ソフトバンクが料金攻勢で月間純増契約台数NO.1になったり、より高速なデータ通信が定額でできるイー・モバイルが新規参入するなど、業界は相変わらず賑やかです。こうした競争の中でウィルコムは生き残っていけますか?
なんか私の社長就任を祝うかのように厳しい環境になりますよね。でも、私は大丈夫だと思っています。

一例を挙げましょう。前述したマイクロセルネットワークの繰り返しになる部分もあるんですが、当社は、常に独自の新しいサービスを提供している。この“新しい”という点が重要です。つまり既存の市場の取り合いをするだけではないんです。

過去、契約者が落ち込み、苦しかったときに学んだのは、新しい市場を作り出せば活路はあること。過去ではデータ通信や音声定額、最近ではスマートフォン『W-ZERO3』などが、それに当たります。われわれが新しい市場を作っていけば、お客さまにも喜ばれるし、ビジネスも広がるんです。
既存の携帯電話会社って、数千万台の単位でお客さんを抱えているので、市場の細かいニーズに対応しきれていないですよね。機種ひとつ見ても、月に何万円も使う人も、基本料の無料通話分で収まっちゃう人も似たようなモノを選ばなければいけない。だから満足度がピークに達しない。アクティブな人も、そうでない人も不満がある。
機種の話でいうと、その解が「W-SIM」です。履歴書の証明写真くらいの大きさのカードにPHSの無線機が入っている。これを活用すると、いままでより簡単に機種の開発ができる。
玩具メーカーのバンダイなどが独自ブランドのPHSを出せているのが一例ですよね。スマートフォンの第1弾『W-ZERO3』を発売した数ヵ月後、第2弾の『W-ZERO3[es]』が出てきたのも、「W-SIM」を活用した例ですよね。
私たちは「W-SIM」をひとつのプラットフォームとして考えています。「W-SIM」の仕様をオープンにし、さまざまなかたがたに機器を開発していただくことでお客さまのニーズに合ったモノが提供できるはず。こうしたモノづくりをしている点も、ウィルコムならではです。携帯電話のように垂直統合型だけがすべてではないんですよ。
総務省の研究会でも、日本のケータイ市場をどうするか? という議論がされていましたが、あの場では、ウィルコムのやりかたがモデルケースのひとつとしても紹介されていましたね。
繰り返しになりますが、私たちは、常に新しいことにチャレンジし、お客さまに満足していただきたいと思っている。だから、競争が大変だけれど大丈夫か? と聞かれても心配していない。市場のニーズ、無線技術の動向、インターネットの文化など、全体的なトレンドは、われわれに追い風だと思っています。
ただ、それでも学生さんは「ケータイ業界は先がない」と感じているんじゃないですか? 人気企業ランキングなんかみても、通信事業者って上位ではないですし。
私は、まだまだ成長すると思っていますよ。いまケータイの契約台数は1億台を超えたので、もう飽和したと言われます。が、これは日本国民に行き渡ったというだけで、この先は1人2台持つかもしれない。また、これまでは人と人がコミュニケーションするためのツールでしたが、人と機械、機械と機械がコミュニケーションする時代がくると思っているのです。たとえば、いま自動車メーカーのホンダさんと一緒にカーナビを提供しているんです。これはウィルコムの定額プランと高速データ通信のネットワークを活用し、常に最新の地図情報を提供するというもの。同じことをケータイでやろうとすると、通信料が嵩んで大変なんですけれど、こういう新しい市場がどんどん生まれてくると思うので、まだまだ成長できる。

極端な話、コードでつながっているものの大半は無線化できる。そこにわれわれのビジネスチャンスがあると思っています。
 
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